*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「あっ………」

静寂した部屋にインターホンの音が鳴り響き、思わずびくっと肩を震わせた。

こんな夜遅くに誰が訪ねてきたのか…。

思い付く人物は一人しかいない。

片瀬さんが立ち上がり、玄関に向かった。

ドアの開く音が聞こえて近づいてくる二つの足音。

背中を向けていた私に

「明莉…」

躊躇うように呼ばれた名前。

振り向けずにじっとしている私の正面にきた蓮司が、私の目の前に方膝をつき、私の視線に自分の視線を合わせてしゃがんだ。

「…っ!」

目の前の蓮司に驚き、目を見開いて息をのんだ。

「どうしたのっ!その顔っ!!

もしかして和にぃっ!!」

目の前の蓮司の顔は数発殴られたあとがあり、口元が切れていて、左頬と目元が赤くなり腫れていた。

痛々しいその顔に伸ばそうとした手を蓮司が掴んだ。

「和希さんじゃないよ」

眉毛を下げて目の前の蓮司が少し困ったように笑った。

< 196 / 211 >

この作品をシェア

pagetop