*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング

何度でもキミに俺は恋をする

十月二十四日、よく晴れた秋風が爽やかな朝だった。

私はあのあと、片瀬さんの家に三日ほどお世話になった。

「香田と明莉ちゃんの新婚生活にお邪魔してさ、二人を見ていろんなこと考えさせられたし、すごく羨ましかった…。

だから今度は負けないくらい仲のいい俺たちを見ていくといいよ」

普段から女の子に優しい片瀬さんは、身重のなつさんをとても大事にしていて、片瀬さんからの愛を百パーセント注がれているその優しさは想像を絶するほどとろけるほどに甘く、絶え間なくお互いに愛の言葉を囁きあっていた。

八年間言えなかった分を今、口にしているんだと、伝えることを嬉しそうに教えてくれた。

片瀬さんは、それを教えてくれたのは蓮司なんだよと私の知らない片想い中の蓮司のことをたくさん教えてくれた。

三日間過ごした片瀬さんとなつさんの仲むつましい姿に、隣にいない温もりが寂しくなった。
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