＊続＊不機嫌な彼と恋のマジックドライビング

「あぁ、岡田にちょっと用事があって。

…顔色はあまりよくないな。
無理しないで早退できそうなら帰らせてもらえ？

…たぶん朝の話しは誤解だからさ。

今それを岡田に確かめにきた｣

「えっ？｣

「あー、詳しいことは帰ったら話すから機嫌なおして？｣

明莉に手を伸ばして頭を撫でると途端に真っ赤になって

「…ここ…会社だから…｣

と小声で呟く。

あぁ、確かにこのフロアーでツナギを着ている俺の存在は目立っていてみんなに注目されていた。

明莉が大事で好きなのだから別に全く俺は気にしないが、明莉は恥ずかしそうに

「…別に…怒ってないから…。

それに、大丈夫。定時まで仕事するから。

一緒に帰ります…｣

頬を染める明莉が可愛くて俺の顔も綻んだ。

「うん。わかった。

じゃあまたあとでな｣

一緒手を握りしめると明莉は驚いた顔をしてさらに顔を赤くして直ぐに俺の手を振り払った。　

そんな俺の背後から咳払いが聞こえ

「…待たせたな｣

と仏頂面の岡田が打ち合わせスペースに入っていった。