彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「マジです!だ、だ、大丈夫です!カンナさんとかに、話題をふりたいので~!」
苦し紛れで友達の名前を出す。
最近は草食系男子もいるから、女のこと恋愛トークをする男子がいたっておかしくない。
「高千穂とか?」
良くも悪くも、カンナさんと僕が恋愛トークをすることを瑞希お兄ちゃんは良く思ってるし・・・
「は、はい!この映画について、カンナさんと仲良くお話しできればと~」
「マジか!?そりゃあ・・・凛がそうしたいなら、お兄ちゃんも応援するけどよぉ~」
(あれ?)
私の答えに、意外にも歯切れ悪く言う瑞希お兄ちゃん。
いつもなら冷やかしてくるのに・・・何で困った顔してるの?
(ま、まさか、嫉妬してくれてる!?)
ドキドキしながら彼を見れば、何とも言えない表情で告げられた。
「凛が見たいって言ってるホラー映画、ゾンビがメインで出てくるけどいいのか?」
「はい!!お願いいたっ―――――・・・え!?ゾンビ!?」
(ホラー映画って!?)
ビクッとしながら指さした方を見れば、間違えていた。
「間違えましたー!」
動揺するあまり、希望した恋愛映画の隣のパネルを指さしていた。
〔★凛の『食らい下がる』、前方不注意のため自滅した★〕
慣れない攻めの姿勢が裏目に出る。
「ハハハ!だと思った!」
そんな私に瑞希お兄ちゃんは爆笑する。
「マジで高千穂がゾンビ好きだとしても、この映画はやめといた方が良いぜ?俺、予告だけ見たんだけど、かなり上級者向けのグロさだったからよ~」
「それは無理です!お断りします!!」
「わかってるわかってる。ポップコーン喰うだろう?ホットドックとチュロスも食おうぜ。」
「え!?ちょ、映画はどうなりました??」
「売店で待ちながら決めようぜ。俺的には、このアクションはアタリだと思ってんだよな~!?コメディは口コミでも評判良かったぞ~SFも予告が面白そうだったからさ~」
「え?マジですか・・・?」
「マジマジ!意外と食い物と飲み物待ってる間に、見たいもんを決められるもんだぜ?」
いや、そうじゃない。
(マジで選択肢は、アクションかコメディかSFの3コースだけですかっ!?)
どう頑張っても、恋愛映画は選べない!?