彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
周囲の様子を気に留めることなく、美女は私に笑みを向ける。
「似てるとは思ったけど、びっくりしたわ~」
「は、はい。」
瑠華さんが美しい笑顔を作る。
それで周りの男性客達の視線がますます熱くなる。
「なんだ、あのガキ・・・?」
「知り合いかよ・・・?」
「どんなコネ持ってんだ・・・」
(え?私批判されてる・・・?)
結果、私への視線・・・風当たりが強くなる。
〔★凛に嫉妬が向けられた★〕
瑠華さんのおかげで、私まで注目されてしまう。
居心地が悪い。
(まさかこんなところで、瑠華さんと出会うなんて・・・。)
「まさか、こんなところでチョコちゃんに会うなんて・・・」
「え、ええ。奇遇ですね~」
同じことを思っていたらしい相手に同意すれば、横にいる瑞希お兄ちゃんが、ギョッとした顔で私に聞いてきた。
「凛!こちらの方はお知り合いか?」
「『凛』?」
瑞希お兄ちゃんの問いと、私の名を聞き返す瑠華さんに困る。
とりあえず、好きな人を優先した。
「あ、ご紹介するね、お兄ちゃん。この方は、家出っ子達の相談相手のボランティアをしているお姉さんで、鳴海瑠華さん。」
「家出・・・?もしかして、NPO法人未来のスタッフ?」
「ええ、そうです。あの、チョコちゃんがあなたを『お兄ちゃん』と呼びましたよね?あなたはあなたで、チョコちゃんを『凛』と呼んでますが・・・?」
「あ、弟なんです。チョコはあだ名なんです。申し遅れましたが、真田と言います。うちの凛がお世話になったみたいですみません。」
会釈する瑞希お兄ちゃんに、瑠華さんもやんわりと笑う。
「そうでしたか。そうよね~知らない大人に、本名は言えないもんね~?」
(ああ・・・私のキラキラネーム作戦が・・・)
別に隠すつもりはなかったけど、あの時は、凛道蓮を隠して動いていたから・・・!!
ニッコリと意味ありげに笑うお姉さんに、私は真面目に謝った。
「す、すみませんでした!チョコは本名ではないんです。本当は凛と言います。ごめんなさい・・・!」
「いいのよ。じゃあ、よろしくね、『真田凛』君?」
「え!?」
真田凛!?
(あれ!?合体させちゃった!?てか、また勘違いさせた!?)
〔★新しい名前が誕生した★〕