彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


「そうなのよ。映画をね・・・」

「そうでしたか。僕らも、これから映画を見るために、チケットを買いに行くところだったんですよ。」

「え?まだチケットは買ってないの?」

「はい。これからです。」

「じゃあ、このチケット、もらってくれない?」

「は?」



そう言うと瑠華さんは、持っていたブランド物のカバンから2枚のチケットを取り出す。

そして、私の方へと差し出しながら言った。



「見る予定だったんだけど・・・すぐに帰らなきゃいけなくなったの。」

「え?でしたら、払い戻しをしてはどうですか?」

「それがダメって言われちゃったのよ。このままゴミにするより、チョコちゃん達にあげた方が良いわ。お礼だと思って、受け取ってくれる?」


「「お礼?」」



瑞希お兄ちゃんと声をそろえて聞けば、優しい笑みで彼女が告げる。



「チョコちゃんのおかげで、家出した子の回収が上手くいったのよ。安いお礼で悪いけど。」

「凛・・・!?」

「い、いえ!僕は何も!」



瑠華さんの言葉で、瑞希お兄ちゃんがジロッと私を見る。



「お前、俺に隠し事はしないって約束を破ったのか・・・?」

「えっ!?ええ!?違います、違います!」



疑いの目を向けてくる瑞希お兄ちゃんにびっくりした。



(何言ってるの!?てか、あなたもあの場にいましたよね!?)

『女装探偵・ミク』として参戦してたじゃないですか!?

『凛道蓮』が約束を破ってないこと、知ってるでしょう!?


(知ってるくせに、知らない振りをして怒るとか~!)

瑞希お兄ちゃんてば、芸が細かいですね!?



〔★凛に言われたくない★〕


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