彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



瑞希お兄ちゃんを想像したことで、交感神経が興奮状態になる。

おかげで、クーラーの冷たさを感じない。



(お、落ち着け!私!)



心身を鎮めるため、内側から冷やそうと動く。

買ってもらったドリンクに手を伸ばし、ストローで静かに冷たい液体を吸い上げる。


あ~美味しい。冷たい。落ち着く・・・。


落ち着いたところで、わが身を振り返る。



(映画のセリフ・・・・・・・・瑞希お兄ちゃんに言われると、悪くはないなぁ~)


その後、出てくるイケメンキャラ達のセリフを瑞希お兄ちゃんが言ったら~と、想像しては、胸をキュンキュンさせて楽しんだ。


(恋愛映画って、こんなに良かったんだぁ~)


そう思い始めたころには、館内はLOVEムード一色となっていた。

ストーリー展開が盛り上がるにつれ、周りは静かになっていく。

私の隣も静かになる。

瑞希お兄ちゃんの食べたり飲んだり、飲み込んだりする音が聞こえなくなる。

彼のホットドックとドリンクの残りはわからないけど、ポップコーンはまだ半分ある。

それを食べないということは――――――――



(・・・・映画に集中してるのかな?)



チラッと目だけで、瑞希お兄ちゃんを見れば・・・・



「スー・・・・スー・・・・」


「!?」

(はああ!?)



目を閉じて、心地よさそうな顔をしていた。


(ね、寝てる!?)


映画マナーで、最悪な展開じゃない!
心の中で訴える。


(ちょ、起きてよ、お兄ちゃん!万が一、お隣りさんの方へ倒れたら、すっごい怒られるよ!?私も謝るけどさ!?)


起こそうか、どうしようかとオロオロしていたら、瑞希お兄ちゃんが動いた。



「んんっ・・・」

ドサ・・・!

「え?」



私の方へ、私の肩に彼がもたれかかってきた。



(ええええええええええええ!?)

なにこれ!?

恋愛映画で、恋愛イベント発生!?

今日の私って、ラッキーなの!?

アンラッキーなの!?

いや、絶対に今は、ラッキーよ!!



(わが身にLOVEヒロイン級のイベントがキタぁ――――――――――!!)



〔★映画どころではなくなった★〕


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