彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「無理やり聞き出すな!凛さんを信頼してんなら、無粋な真似すんじゃねぇ!」
「可児君・・・!」
「そうっすよね、凛さん!?」
「う、うん!」
(さすが可児君!頼もしい壁役!ありがとう~!)
しつこい2人を阻む友達に、心の中で感謝したのだけど―――――
「ご安心ください!龍星軍の副総長として、あなたの片腕として、凛さんの情報は俺で止めておきます!つきましては、緊急事態に備え、俺にはあなたの在籍している学校名と所在地について教えてください。」
「「って!?上手いこと言って、抜け駆けすんじゃねぇーぞハゲ!!」」
(・・・ホント、その通りだ。)
前言撤回。
壁は壁でも、盗聴器を埋め込まれてるやつだわ。
「最初に凛さんの舎弟になったの俺だぞ!?」
「リンリンの大親友で、片腕の相棒は俺!」
「俺が一番だ!わが君の懐刀だよ!」
「ちょ、やめてください!三人とも、やめ―――――!」
「やめねぇかボケ!!」
僕の静止よりも大きな声で止めたのは、
「カンナさん!」
「凛を困らせてんじゃねぇーよ!!」
龍星軍、公式において、唯一の女子である親衛隊長のヤンキーガール。
「無意味な喧嘩しやがって!凛の性格わかってんなら、1人だけ特別扱いするような真似するかよ!?違うだろう!?」
「ぐっ!?」
「そ、それは~」
「そうですけど・・・」
カンナさんの言葉に、気まずそうな顔をする可児君とちーちゃんとつなぐ。
そんな3人にカンナさんは、ため息交じりに切り捨てる。
「わかってんなら、もうちっと感情押さえろや!駄々っ子か!?凛も凛だぞ!この喧嘩の続編を防ぐためにも、どこの学校に行ってるか言え!」
「え!?」
追加で僕まで切り捨てるカンナさん。
「ぼ、僕の学校なんか聞いてもつまらないですよ~?そんなに気にしないでくださいよ~?たいしたことないですから~!」
突然の言葉の被弾を、なんとか茶化して防いでみたが――――
「龍星軍の総長してるだけでも目立つのに、今までどんだけ話題の中心になってきた!?ヤンキーとパンピーと社会と世間から注目されまくりの凛道蓮さんがよぉ~!?」
「僕、そこまで目立ってますか?」
「だから聞いてんだろう!?もったいぶらずに言え!!」
火に油を注いだだけだった。
〔★興味を引いてしまったとも言える★〕