彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「・・・。」
「どうなんだよ!?なんで黙ってんだよ、凛!?なんとか言えよ!?」
「黙秘します。」
「誰が法廷ごっこしろっつったぁ・・・!?」
「ちょ、怖い近い!近い怖い怖い!」
勇気をもって伝えれば、僕の胸ぐらをつかみながらメンチをきるカンナさん。
〔★カンナの脅し、凛に効いている★〕
にらむカンナさんの顔が近くて、無意味に照れて挙動不審になる。
「吐けコラ!なんで言いたくないんだよ!?」
「だ、だって・・・『凛道蓮はミステリアスで謎』って言う、世間の期待を裏切りたくないのです・・・!」
苦しいながらも、苦し紛れでもっともらしいことを言う。
「僕、こんなのだから~ちょっとでも硬派なイメージ崩したくないので~・・・ね、お願い、カンナさぁ~ん?」
「くっ!?その顔やめろ!」
甘える声と顔で言えば、頬を赤く染めたカンナさんがそっぽを向く。
〔★凛のおねだり、カンナに効いている★〕
「ま、まあ!いかつい印象が欲しい凛の気持ちはわからなくもないけどよぉ~」
「でしたらお願いします、カンナさぁーん!この話はおしまいに~♪」
「そ、そうだな・・・しまいに―――――」
「――――しまいにすんじゃねぇーよ!!詰めが甘いぞ、高千穂!凛さんのためを思うなら、そこは踏ん張ってくれよ!」
「可児!?」
「凛さんはただでさえ、巻き込まれたり、さらわれたり、お節介焼いたりするお人よしだぞ!?俺は凛さんの住んでるご実家さえ知らないんだ!学校ぐらい把握しとかなきゃ、安心できねぇだろう!?」
「やべ!そうだった!あぶねぇあぶねぇ!危うく情にほだされかけた!」
(いやーん!ほだされてよぉ~!?)
もう少しで手を引きそうだったカンナさんが、可児君の言葉で戻ってきた。
〔★ふりだしにもどった★〕