彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「え~凛ちゃん、意味、知ってたのー!?じゃあじゃあ~アリちゃんがベトナム戦争に行くのを拒否してアメリカ政府と長期間戦ったことや~イスラム教徒になっちゃったことも知ってる感じ~?」

「徴兵拒否と改宗の件は初耳です。中学の体育の先生が、モハメド・アリ選手のファンだったので、授業の合間で話してくれました。」

ノリノリで聞いてくるオネェさんに、ボクシングファンの教師の布教(ふきょう)によって知ったと伝える。

「マジでぇ~!?超親切な先生~!怖そうだけど♪」

「真面目にしないと、怖かったですね。『蝶のように舞い、蜂のように刺す』は、有名な名言だから覚えておいてくれと・・・そのフレーズを作ったのはご本人ではなく、トレーナーのドゥルー・バンディーニ・ブラウンさんですけれども!良い言葉なので、モハメド・アリ選手以外も、「華麗なヒットアンドアウェイ戦法」として使ってるじゃないですか!?」

「あら~そこまで教えてもらったの~!?ちゃんと覚えてるのぉ~!?『アウトボクシング』がわかるなんて、可愛いだけじゃなくて、おりこうさんなのねぇ~よしよし♪」



ニコニコしながら私の頭をなでてくるモニカちゃん。



「僕、おりこうさんですか?」

「いい子よ~♪可愛いから大好き♪だから、なんでも叶えたくなっちゃうのよねぇ~♪」



(その言葉が欲しかった!)

「ありがとうございます。」

「どういたしまして♪」



モニカちゃんが私のお礼に対して、それを打ち消して返す挨拶の言葉を言い終えたところで切り出した。


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