彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「ポイント目当てみたいな私のこと・・・いやになったんでしょう!?」

「え!?そ、そうじゃないよ!?」

「だって!そうとしか思えないよ、この状況!急に具合が悪く、足が痛くなるって・・・!」



ぽろぽろ泣き出すよっちゃんが哀れに思えた。



「今日、一緒に来てくれないなら、期待させてここまで来ないでよ・・・!」

「ち、違うよ!」



菅原凛の時でも、女の子に泣かれるのは困る。



「わかったよ!ちゃんと一緒に行くから!?泣かないで!ね!?」

「本当に・・・?私のこと、嫌いになってない?」

「なってない、なってない!」

「うっ、うっ、ごめんなさい、すがちゃーん!」



そう言うなり、泣きながら私に抱き着くよっちゃん。



「友達やめないで!私を一人にしないで!一人は嫌だよぉ~!」

「大丈夫!1人にしないから!」

「すがちゃんに友ヤメされたら、私生きてけないよぉ!すがちゃんが嫌がるなら、今日早める!ポイント稼ぎしない!だから、友達でいさせて~!」

「友達だよ!親友だよ、私達は!?あ、足の痛み、収まったみたいだから行こう!大丈夫だから、行きましょう!ね?」

「うっうっ、すがちゃーん!」



泣くよっちゃんを何とかなだめながら前に進む。

あいかわらず、足に痛みはあったけど、我慢して歩いた。

入口らしいところまで来た時、消え入りそうな声でよっちゃんが言った。





「ごめんなさい・・・すがちゃん・・・!私、いじめられて、1人になって、怖かった。また1人になると思ったら・・・・わがまま言ってごめんなさい。」

「いいよ、わかってるから。その気持ちわかりますから。」

「本当に?」

「本当です。」





笑顔で言えば、よっちゃんはうつむく。








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