彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





「本当に・・・・・今日、一緒にポイント稼いでくれる?いいの?嫌なら・・・・やめるよ・・・!?」

「いいですよ。よっちゃんのためだもん。やめないよ。」

「わかった・・・・・・!」



そう言って顔をあげると、覚悟を決めたように言った。



「じゃあ、入るね・・・!?」

「うん!」



震えるよっちゃんを労りながら、お店の中に入る私達。



「いらっしゃいませ。」



少し年上のお兄さんが出迎えてくれた。瑞希お兄ちゃんよりは年下かな?

そう思う中、よっちゃんが口を開いた。



「あの、ここは初めてなんですけど・・・」

「コードをお願いします。」

「はい。」



よっちゃんがスマホをタッチして画面を見せる。



「お連れ様もお願いします。」

「はい、どうぞ。」



私も、よっちゃんが借金を作ったゲームの画面のマイページのメールボックスを出して見せる。

そこにはよっちゃんから送られてきたQRコードがあって、『GREATSTAGE』ではそれを読み取って入店できた。

今回も同じものが使えるそうだ。



「確認出来ました。ご案内しますね。」



うんさんくさい笑顔で返してくる店員に、言われるままついていく。

室内は、ネットカフェみたいなドア付き・鍵付きのボックス席がいくつもあった。

観察しているうちに気づく。





(・・・窓がない・・・。)





一面壁ばかりで、外の様子がわからない。

冷房がついてるのは良いけど、換気はどうしてるのかな?





「こちらです。」





開かてくれた個室のドア。

中にはパソコンとコピー機のネット環境が整ったテーブルと、そのテーブルをはさむように3人掛けの長椅子のソファーが2脚あった。



(応接室みたいな広さとインテリね・・・)



よっちゃんと向い合わせで座れば、別の店員グラスをのせたトレーを持ってやって来た。






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