彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「よっちゃんは、彼女は私の大事な友達です!だからよっちゃんに、ひどいことをしないで下さい!!」
本当はずっとほしかった。
(凛道蓮だけじゃなく、『菅原凛としての友達』もほしい!)
「私の友達にひどいことをしないで下さいっ!!」
本気の懇願をする。
「・・・・ぶっ!はははは!!」
(え!?)
「大事な友達だってよ~」
結果、大爆笑された。
「友情に熱いな?」
「バカだよな、バカ?」
「っ・・・・!」
(なんとでも言えばいい!!)
「じゃあ、友達のために一肌ぬいでくれるな?」
「つーか、脱がせた方がウケるんだよな?」
そう言いながら、録画機を私に向ける男たち。
(撮りたいならとればいい。)
どちらにしても・・・
「どちらにしても~」
「やられることにかわりねーからな!?」
「――――――――やられることにかわりねーからな。」
敵の大声と私の小声が重なる。
「あ?なんか言っ、」
素早くしゃがむ。
そして、敵が踏んでいるシーツをおもいっきり引っ張った。
シュッ!
「なっ!?」
「うわー!?」
バランスを崩して、目の前の二人がバランスを崩す。
ドスン!ドン!
「ぐあああー!?」
ドスン!ドン!
「だあああ!?」
床へと倒れていく2人は、ビデオを持った仲間を巻き込んで転んだ。
「「「ああああ!?」」」
ベッターン!!
全員がこけて、倒れこんだ。
(今だ!)
がら空きになった扉に向かって走る。
「あ!?待て!」
後ろから声がしたが無視。
ガチャ!
扉を開けて、部屋の外へ出る。
(脱出成功!)
そのままドアを閉めて、ドアの横に飾ってあった鑑賞用の植木鉢をドアの前において封鎖する。
「あ!?あかない!」
「なんでだ!?」
(封鎖成功!)
追っ手を足止めで来たところで叫ぶ。
「よっちゃん!」
(どこにいるの!?)
これはもう警察案件だよ!
(未成年を売春して、借金返済とか、ありえない!)
全速力で、連れてこられた道を戻る。