彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



私の問いに、マズイって顔で、よっちゃんが固まる。

同時に、私の中で危険警報が鳴り響く。





「どういうこと!?よっちゃん!?」





よっちゃんの言動には、あきらかな矛盾があった。

それらが嘘ということになれば・・・・悪い予感しかなかった。





「よっちゃん、どういうことなの!?正直に話してくれないと困るよ!?友達でしょうっ!?私達、親友なのに――――――――!?」

「――――――正直に話したら来ないじゃないっ!!?」





突然、声をあらげて怒鳴り返してくるよっちゃん。




「よ、よっちゃん!?」




急変した相手に驚く。





「なにが友達よ!いじめられっ子のくせに!!親友なわけないでしょう!!?」

「え!?」





そう言ったよっちゃんの顔は、醜くゆがんでいた。






「ど・・・どういう意―――――――!?

「終わるの早かったね~友達ゴッコ?」






気だるそうな声が、私の言葉をさえぎった。





「ルノアさん!」

「友達ゴッコって・・・!?」




よっちゃんをみるが、渕上の方へと移動する。

背後に隠れて、不機嫌そうに私をにらんでくる。

それに渕上は、自分の爪を見たまましゃべる。





「吉田ボンミス多すぎ。30点。」

「す、すみません!ルノアさん!でも、菅原を連れてきたから~結果オーライですよね!?」

「ど、どういう意味!?どういうことなの、よっちゃん!?」





気が動転してしまった。

2人ばかり気を取られ、周りが見えてなかった。






「背中がらあき!」

ドンッ!

「うっ!?」





その言葉通り、背後から強烈な一撃を受けた。

受け身も取れないまま、うつぶせに倒れた私。




「痛っ・・・!?」




急いで身を起こして見上げれば、鳥海と難波を両脇に従えた小村がいた。




(なんでここに!?)




反応が一瞬遅れる。

完全に油断した。




「オラオラ!」

「動くなよ!」

「てまかけさせんな!」

ガスッ!

「あ!?」




鳥海と難波が私を抑え、その間に小村が大声で叫ぶ。








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