彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
のばした手が、よっちゃんに触れた瞬間―――――――――
バシッ!
「さわらないで!!」
拒絶された。
「なんで!?友達で、親友だって――――――――」
「ふざけないで!あんたのせいで、あたしはひどい目にあったのよ!?それに言ったでしょ!?『すがちゃんのおかげで助かったよ』って?」
―私、すがちゃんのおかげで助かったよ―
それでやっと気づく。
(だまされた!!)
思えば、委員会の子からのメールというもおかしかった。
なんのことはない。
最初から一緒に逃げる気はなかった。
2人で逃げる考えなんてなかったんだ。
1人で、自分だけ逃げたよっちゃんに、いじめ以上のショックを受けた。
「菅原~借金の返し方は、運営に従えよ。」
「う・・・運営?」
聞き返す私を、渕上は見ていない。
「行くよ、吉田。」
「はい。」
爪ではなく、私の友達だったはずの子を見て笑う。
その笑顔に、よっちゃんは・・・吉田都司子は得意げに笑う。
ああ・・・初めて見た。みにくい笑顔って、今のよっちゃんみたいな顔なんだ・・・!!
「鳥海、あとは任せた。」
「OK!動画つきで報告するから。」
「あ!?待ちな―――――――――うう・・・!?」
呼び止めようとしたが、強烈なめまいがくる。
「あ・・・!?」
身体に力が入らない。
(オレンジジュースの・・・薬のせい・・・!?)
そうとしか思えない、反射神経の鈍さ。
油断なんてしてなかった。
ただ、衝撃が大きすぎただけ。
裏切られたショックが大きすぎて、すぐに動けなかった。
ゴッ!!
「あう!?」
続けざま、後頭部に激痛が走る。
「クソガキが!」
「あっ!」
オラ!ドス!
「うぐぅぅ!」
倒れ込んだところに蹴りを入れられる。
押さえ込まれた。
「あ、あの死んじゃいますよ・・・?」
「大丈夫~慣れてるから、加減はできてんだよ。」
恐る恐る聞くよっちゃんに、吉田に・・・難波が笑う。
「そ、そうですよね~あはは。」
つられるように吉田も笑い、私は何とも言えない気持ちになる。