彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





のばした手が、よっちゃんに触れた瞬間―――――――――





バシッ!

「さわらないで!!」





拒絶された。





「なんで!?友達で、親友だって――――――――」

「ふざけないで!あんたのせいで、あたしはひどい目にあったのよ!?それに言ったでしょ!?『すがちゃんのおかげで助かったよ』って?」



―私、すがちゃんのおかげで助かったよ―




それでやっと気づく。







(だまされた!!)







思えば、委員会の子からのメールというもおかしかった。

なんのことはない。

最初から一緒に逃げる気はなかった。

2人で逃げる考えなんてなかったんだ。

1人で、自分だけ逃げたよっちゃんに、いじめ以上のショックを受けた。






「菅原~借金の返し方は、運営に従えよ。」

「う・・・運営?」





聞き返す私を、渕上は見ていない。





「行くよ、吉田。」

「はい。」





爪ではなく、私の友達だったはずの子を見て笑う。

その笑顔に、よっちゃんは・・・吉田都司子は得意げに笑う。

ああ・・・初めて見た。みにくい笑顔って、今のよっちゃんみたいな顔なんだ・・・!!





「鳥海、あとは任せた。」

「OK!動画つきで報告するから。」

「あ!?待ちな―――――――――うう・・・!?」





呼び止めようとしたが、強烈なめまいがくる。





「あ・・・!?」





身体に力が入らない。





(オレンジジュースの・・・薬のせい・・・!?)





そうとしか思えない、反射神経の鈍さ。

油断なんてしてなかった。

ただ、衝撃が大きすぎただけ。



裏切られたショックが大きすぎて、すぐに動けなかった。




ゴッ!!

「あう!?」





続けざま、後頭部に激痛が走る。





「クソガキが!」

「あっ!」

オラ!ドス!

「うぐぅぅ!」





倒れ込んだところに蹴りを入れられる。

押さえ込まれた。





「あ、あの死んじゃいますよ・・・?」

「大丈夫~慣れてるから、加減はできてんだよ。」




恐る恐る聞くよっちゃんに、吉田に・・・難波が笑う。




「そ、そうですよね~あはは。」




つられるように吉田も笑い、私は何とも言えない気持ちになる。







< 635 / 922 >

この作品をシェア

pagetop