彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
お店の中にいた人間は、2種類にわけられていた。
縛られている人達と、片隅に寄せられている人達に。
「これは・・・・?」
「ああ、ゴミの分別よ。」
綺麗な笑顔でミクお姉ちゃんは言う。
縛ってる方はこの店で悪いことしてたやつら。
「縛ってないのはあなたと同じで被害者かな。」
(なるほど・・・だから縄付きには、鉄拳のあとがあるのね・・・。)
くつあともあるから、踏(ふ)んでもいるだろう。
〔★蹴りも食らっている★〕
彼・・・彼女は、ぎこちない手つきで、私に制服を着せてくれた。
キチンと整えてくれた上で、私の頭をなでながら言った。
「私はもう行くわ。後は警察官の人達が保護してくれるわ。」
「え!?警察・・・!?」
(それはマズイ!)
菅原凛だと、瑞希お・・・ミクお姉さんにバレてはいないが、警察は困る。
「大丈夫です!1人で、帰り―――――――――!」
帰りますといいかけて、視界がぶれる。
「う・・・!?」
「無理しちゃダメよ。」
倒れそうになったのを、ミクお姉さんが抱きとめてくれた。
「スプレーされたでしょう?」
「されましたが・・・?」
「あれは意識を失わせる薬品よ。救急車もよんだから。」
優しく頭をなでながら言うと、入り口近くのソファーに私を座らせるミクお姉ちゃん
「お大事に。」
「あ・・・!まっ・・・!」
待って。
行かないで、瑞希お兄ちゃん!!
そう思ったけど声にはならなかった。
そんな私に、ヤマトは両手を合わせてから、ミクお姉ちゃんの後を追う。
二人は、店の奥へと消えていく。
(なんで・・・?どうして?)
なぜ2人はここにいたの?
(聞いてないよ、ヤマト?)
ミクお姉ちゃんと一緒とか?
そう思った時、外へとつながる入口が開いた。
「動くな!警察だ!!」
そう言いながら入ってきたのは、見覚えのある人物。
「全員、大人しくしなさい!」
制服姿の警官の先頭にいたのは、バラさんにいつもダメ出しをされている岩倉だった。