彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



恋の始まりに理由がないなら、いじめの始まりにも理由はない。



「ひどい!ダマしたのね!?」



ネット上で使えるポイントマネーを使ったカジノゲームで、私は借金を作ってしまった。



「ダマしただぁ~!?人聞きの悪いこと言うんじゃねぇーよ!」

バシッ!

「きゃあ!?」



同じクラスのヤンキー、小村さやかに殴られる。

その仲間達にも、何度も何度も。



「もうやめー!痛いよ!痛い!」



気づけば、他の友達は遠ざかり、菅原凛由は軽いけど、いじめの対象にされた私。

それは夏休みの間も、新学期が始まってからも続いた。



「親にチクったら、一家全員無職にするからな~?」

「あたしらのケツ持ちは、渕上ルノアさんだからなぁ~」



知ってる。

だから担任の先生も、見て見ぬふりをしてる。

この学園で、渕上財閥に逆らう奴はいないから。

だからやっぱり今日も・・・・始業式もいじめを受けた。

体育館へ移動前の教室の隅で、けられたり罵声を浴びせられたりしていた。



「なんでまだ、マネーポイントがマイナスのままなんだよ!?」

「借金女!ムカつくわ~吉田!」

「ねぇ、髪の毛切っちゃわない?あたしと同じ長さとか~ごみとお揃いは嫌だわ!」



髪の毛を引っ張られ、はさみを向けられる。



「やめてやめて!ごめんなさい!許してよ!なんでもするから!許して!」

「あ?なんでもするだぁ~?」

「する!なんでもするから許して!」

「ばーか!あたしらへの借金返せない奴が何言ってんだよ!?」

「ひっ!?」



コブシを振り上げられ、殴られると思った時だった。





「面白いじゃん。聞いてやれば?」

「え!?」

「あん!?誰だよ!?ふざけた口き―――――!?」

「あたしにふざけた口きく気?小村?」

「ル、ルノアちゃん!?」





そう叫んだと同時に、小村達がその場で背筋を伸ばす。

私から手を放す。




「顔に残るようなことするなよ、ばーか。」




そう言って近づいてきたのは、1年A組の悪女・渕上ルノアだった。

自分の爪を見ながら、小村の顔を見ることなくる地神ルノアは言った。







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