彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「『塵(ちり)も積(つ)もれば山となる』・・・・私がそのアプリに登録して、毎日あなたにポイントを送ります。少額ですが、少しは助けになるでしょか?」

「なるなる!すごく助かる!!」



こんなことってある!?

ラッキーだよ、私!

やっと、運がもどってきた!?



「ではそういうことで、よろしくお願いしますね。」

「す・・・菅原さん・・・!」



無垢な笑顔で言う相手に、なんともいえない高揚感を覚える。





「私、私・・・菅原さんがいじめられてる時に助けなかったのに・・・菅原さんは私を助けてくれるの・・・!?」

「え?はい、そうですが・・・?」

「なんで!?わりにあわなくない!?私、これから先、菅原さんを助けられる自身も勇気もないよ!?」

「・・・私の方は、大丈夫です。今は、吉田さんの方を優先しましょう。そもそも、利害関係のために、吉田さんを助けたいと思ったんじゃないです。」





利害関係という言葉が、胸に突き刺さる。





「なにそれ!?どうして助けたいって思えるの!?私菅原さんに、ひどいこと言ったのに・・・」

「放っておけないから、ですかね・・・」

「へ?」

「私も・・・・・・・小村さんじゃないけど、同じクラスの人達に、いじめられてるから・・・わかるっていうか・・・」

「いじめられる痛みがわかるから、止められるものなら・・・止めたいんです。」

「菅原さん・・・!」

「いじめられるつらさを知ってるから・・・これ以上、同じ思いをしてほしくないからです。」

「すっ、菅原さん・・・!」

「だから、これから一緒に頑張っていきましょう?」





(なんて馬鹿なんだろう・・・)





自分よりも他人を優先する姿。





「あはは。ちょっと・・・・・・きれいごとすぎますかね?」

「そんなこと・・・!!そんなこと・・・ないよ・・・」





(菅原凛はきれいすぎる。)





心がきれいなんだと思う。

それはうらやましいことだけど、うらめしいことでもある。

菅原さんは、あんなにひどくいじめられてるのに、平気だと言うの?





(いや、平気だから私に同情できる余裕があるんだ。)





そう思ったら、罪悪感が薄れていき、代わりに憎しみのようなものがわいてきた。







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