彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
(もしかしたら、渕上さんは、最初から菅原凛を罠にはめるために、私を利用しただけかもしれない。ううん、きっとそうよ!)
だったら私は被害者よ。
菅原凛は無自覚の加害者よ。
その思いが、憎しみが増した時、私は鬼になることができた。
「あ・・・ありがとう!本当に・・・あ、ありがとう!ありがとうございます!ありがと・・・ぅうう!」
「ほら、もう泣かないで下さい。これから・・・頑張りましょう?」
「うん、うん・・・うぅ・・・ありがとう、菅原さん・・・本当にごめんなさい・・・!」
お前のせいだ。
私がいじめられたのは、お前のせいだ菅原凛!
だから、お前は私のために身代わりになるべきなんだ!
そう心の整理がついたとき、私の身体を菅原凛が無言で抱きしめた。
「え!?す、菅原さ・・・!?」
びっくりして名前を呼べば、私の背中を、頭を、優しくなでてくれた。
お母さんみたいに、優しく・・・
「ごめんなさい・・・ありがとう・・・」
「・・・いいんですよ。」
(・・・・・ごめんなさい・・・・!!)
いいんですよ、の一言で、私の中の良心は消えた。
その後、菅原凛を利用できそうだと小村達に話したら、彼女たち楽しそうに笑って喜んでくれた。
渕上ルノアにも伝わったが、ルノアちゃんは興味なさげに「そう。」と言うだけだった。
だから、菅原凛と仲良くなる作戦も計画も、他の人がたててると思っていたけど・・・
「さっきの菅原面白かった。あたしのアイデア、イケてるよねぇ~吉田ちゃん?」
すがちゃんを残して、お店から出た時、邪悪な笑みを浮かべながら言うルノアちゃんが怖かった。
「これで、吉田ちゃんもあたしたちの一員だね。」
「は・・・はい・・・。」
ルノアちゃんが怖いから・・・彼女に飽きられないようにしなければならないと、強く決意する。
同時に、ルノアちゃんの仲間になれたから、私にはもう怖い物はないと安心できる。
不思議と、菅原凛のことは気にならなかった。
もう2度と、心配する気さえ起きなかった。
だってあいつが、私がいじめられたのは菅原凛のせいよ。
全部、菅原凛が悪いんだから・・・!