彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
カラオケで盛り上がり、カフェでお茶をしていたら遅くなってしまった。
「吉田ちゃん、バイバイ!」
「うん、またね~」
楽しい時間はあっという間に過ぎた。
小村や他のクラスメートと別れ、家に向かって1人で歩く。
菅原凛をイケニエにしたことで、私のカースト順位は上がった。
カースト順位1位の渕上ルノアちゃんが、私を気に入ってくれた。
そしたら小村達は・・・馬鹿みたいに態度を変えた。
「ヨッシー、困ったことがあったらいつでも言ってね~」
「あたしら、都司子ちゃんの仲間だからぁ~」
「マジ、もっと仲良くなりたいってゆーかーよっちゃんを、もっと知りたい的な!?」
―私、よっちゃんのことをもっと知りたいから!―
―よっちゃんのことを聞きたい!―
一瞬、カースト最下位が頭をよぎる。
同じ言葉だけど、菅原凛の言葉の方が誠実だわ。
「わかったわ。ありがとう。」
「よかったぁ~これからもよろしくね!?」
「うん、よろしく。」
いじめられっ子のことを考えるのはやめよう。
罪悪感はある。
悪かったとは思うけど・・・気分が悪くなる。
(やめよう。テンション下がるもん!)
「ヨッシー、また学校で!」
「さよなら、よっちゃんさーん!」
「吉田さん、失礼しまぁーす!」
「はいはい、またね。」
小村さやか達がペコペコしてきて、すごく気分がイイ。
私なんかのご機嫌をうかがわなければならない小村達を、いい気味だと思う。
(これも全部、渕上ルノア様のおかげ!)
地獄から天国よ♪
満ち足りた気持ちで歩いていた時だった。
「こんばんは。」
ふいに声をかけられる。
「え?」
(私?)
声がした方を見れば、街灯のない場所に1人が1人立っていた。
「え!?なに!?」
驚く私の耳に、低い声で語りかけられた。
「はじめまして、吉田都司子さん。」
「えっ!?」
(なんで私の名前を知ってるの!?)
まさか、ルノアちゃんか小村さんから何か言われて送り込んできた悪い奴!?
「僕が来た理由、わかりますよね?」
「わ、わからない・・・!」
敬語で聞かれ、本当にわからなくて伝える。
すると相手は、ゆっくりと暗闇の中から出てきた。
口元を布で隠し、白の特攻服を着ているウルフカットで―――私よりも年下に見えるヤンキー少年。
「おかしいですねぇ~違法なカジノで詐欺にあった被害者で、今は『加害者』の立場になった聞いたのですが?」
「え!?」
全身から汗がふき出すの感じる。