彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
単車がカーブン曲がる。
右に傾いたので、一緒にライト側に身体を沈めた。
ギュウオオン!
(すごいな・・・こんなに飛ばしてるのに、運転が安定してる。)
バランスに気を付けながらアプリの地図を見る。
それで気づいた。
「あ!?」
点滅が移動していたことに。
「ヘルメットマンさん!永山が動いてます!」
私の言葉で、相手が片手をこちらに伸ばしてくる。
反射的にスマホを渡す。
受け取ったヘルメットマンさんが、画面を見たのかわからないけど、ハンドル側の・・・スマホを置けるところに携帯をセットすると、Uターンした。方向転換してくれた。
(追跡してくれるんだ!)
「どうした4代目さん!?」
「敵が移動してます!!」
ついてきていた神城さん達に、すれ違い様に伝える。
そんな彼らをミラー越しで見る。
ついてきてくれてるのを確認してほっとする。
(てか、あいつらどこに瑠華さんをつれてく気だ!?)
ヘルメットマンさんの肩越しに地図を見る。
赤い点は、私達が調べたどの隠れ家にも向かっていない。
(逃げる気!?それとも、私達が知らない場所に行く!?るかさんを連れてるのか!それとも置き去りにしてる!?誰かに知らせないと!)
そう思って携帯を取り出す。
とたんに、着信表示。
お相手は―――――――――
「瑞希お兄ちゃん!?」
私の大好きなお方にして、先ほど、強引に引き離されてしまったお方。
〈無事か凛!?今どこだ!?〉
せっぱつまった声に、心配してくれてた!?と嬉しくなる。
だけど、場合が場合なので、嬉しい気持ちを抑え込みながら言った。