彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
瑞希お兄ちゃんへの泣き言は、LINEの通知で終わりを告げる。
ピヨピヨピー♪
「あ・・・・」
「ん?また、鳴海か?」
「そ、そうかもしれませんね・・・。」
涙をぬぐって、スマホの画面を見る。
しかし、相手は瑠華さんじゃなかった。
「あ、これ、あやめさん・・・・?」
「ツバキさんのことか?」
「はい。」
瑠華さんの保護者のお姉さん。
何事かと思えば――――――――
―瑠華のお迎え、用事ができたので変わってもらえませんか?―
―待ち合わせ場所は、この地図を見てください♪―
「お迎えの交代・・・・・・?」
「聞く手間省けてラッキーじゃねぇーか。・・・・・行けるか?」
「は、はい!大丈夫です!」
完全に涙をぬぐって、平気だと伝える。
それに瑞希お兄ちゃんは、どこか困った顔で笑ってから、私の頭をなでる。
「鳴海へのはげまし・・・頑張りすぎんなよ。言葉1つ、言い方1つで、とらえ方が違ってくる。同じ言葉でも、棒読みで大好きと言われるのと、元気いっぱいに大好きと言われるのじゃ、感じ方が違うだろう?」
「言った人が瑞希お兄ちゃんなら、僕はどちらでも嬉しいです。」
「っ!?そーかよ!じゃあ、高千穂から言われたらどうだ!?どっちも嬉しいか!?」
「あー・・・・・棒読みの方は、ちょっと嫌ですね・・・・・」
「そうだろう!?言い方1つで違ってくるんだ。むしろこの場合は、凛からは声掛けするよりは、聞き手になるようにしろ。その方がいい。」
「つまり・・・・・しゃべらせるということですか?」
「そーゆーこと!わかってんなら大丈夫だな。しっかり、鳴海の愚痴を聞いて来い!」
「はい!恋バナしてきます!」
「恋バナに限定すんなよ!逆に、コイバナは避けろっての!あと今夜、龍星軍の集会があるのを忘れてないよな?」
「あ、そうでした!リモート集会に変更したんでした!」
『GREAT STAGE』の逮捕後なので、公な集会はできない。
だから、ネットによる集会を今夜初めてするのだった。
「どうせ長引くんだから着替えていけ、凛!それと、ノートパソコンを持ってけよ。くれぐれも、画面に鳴海が映りこまないようにな~?」
「え!?そこまでトークの延長を・・・・・するかもしれませんね。おおせのままに!」
敬礼すれば、楽しそうに声をあげて笑う瑞希お兄ちゃん。
「行ってこい、凛!」
「はい、行ってきます!瑞希お兄ちゃん!」
好きな人にお辞儀すると、急いで自分の部屋へと向かったのだった。