彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「龍志を、神城龍志を愛してる。今でも一番愛してるわ。でもね、ひっくり返ったグラスの水は元に戻らないの。キレイだった水にはならない。もう、キレイに・・・純に愛し合ってた頃のあたしと龍志には戻れないのよ・・・!」
「な・・・!?なんでそう決めつけるんです!?話しあえば、まだ―――――」
「言えるわけないでしょう!?見たでしょう?龍志が、あの子にどんな風に接していたか!?」
「それは・・・!」
「それを、すがりついて復縁しろって!?まだ愛してるって言えって言うの!?」
「元々、嫌いで別れたわけじゃないじゃないですか!?」
「そうよ!!だから―――――――――これ以上みじめになりたくないのよっ!!」
みじめ?
「おかしいですよ・・・」
瑠華さんは亜都子ちゃんを守った。
良いことをしただけなのに、どうして理不尽な思いをしなければならないの・・・?
「なんで・・・坊やが泣くのよ・・・?」
「だって・・・僕はまた、瑠華さんにひどいことを言ったんです・・・!」
自分の失礼さに恥ずかしくなる。
「僕は、瑠華さんがそこまで考えてるなんて思わなくて・・・!素直に伝えれば、きっといい形になれて、幸せに・・・」
「素直=幸せじゃないのよ。」
優しい声で瑠華さんは言った。
「本当の幸せは、愛しい人に嫌われないこと。」
「嫌われないこと・・・・・?」
「悔しいけど、悲しいけど、嫉妬で狂いそうだけど・・・今の龍志に必要なのはあたしじゃなくて速水亜都子ちゃんよ・・・」
「瑠華さん・・・」
「私・・・龍志が幸せならそれでいい・・・!『闘邪駆鬼』の男に釣り合う女が、見合う相手がいるならそれでいいの。」
鼻をすすると、声高らかに瑠華さんは言う。