彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
僕の説明に、瑞希お兄ちゃんが大きくため息をつく。
それで不安になったので聞いた。
「あの・・・やっぱり僕、総長としておかしいですか?」
「・・・おかしいと思うのかよ?」
怪訝(けげん)そうな表情で聞き返され、正直に答える。
「警察官としておかしいバラさんが、『おかしい!おかしい!』と連呼してきましたので。」
「ぷっ!ははははっ!」
それで瑞希お兄ちゃんは大爆笑。
「そっか、そっか~・・・・・で?凜としては、間違ったことをしたと思ってるのか?」
「え?えーと・・・他の族ともめるのは承知の上です。警察をまくのも反抗期で、すさんだ未成年らしい振る舞いです。人身事故を防いだという点は、自身を持って良いことをしたと思います。つなぐだけじゃなく、円城寺君と秀君と、他のみんなで連携して、地域の方々と協力できましたので。」
「・・・地域の方々と協力って・・・走りより、喧嘩中心にした方がいいかもな・・・」
「え?」
「まあ、凛の好きなようにしろ。とりあえず、人命救助はよくやった!」
そう言って笑うと、僕の頭をナデナデしてくれる好きな人。
「あ・・・えへへ・・・そんな・・・」
「ちょ、瑞希先輩!?」
嬉しくて照れたら、円城寺君が素早く反応した。
「凛道だけズルくないすか!?」
「なによ大河、オメーも先輩に頭ナデナデしてほしいのかよ?」
「はあ!?な!?お、俺はそんな・・・!!」
「ハハハ!大河はそんながらじゃねぇのは俺も知ってるよ!」
「えっ!?」
明るい顔で言う瑞希お兄ちゃんに、円城寺金の表情が凍り付く。
お兄ちゃん多分・・・円城寺君も撫でてほしいと思ってますよ?
(僕へのナデナデが減ると困るので、言いませんけど・・・)
〔★凛は自分の独占欲を優先した★〕