彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
瑠華さんのことをどれぐらい抱きしめていたかわからない。
30分ぐらいはそうしていたかもしれない。
泣き止み、落ち着いた瑠華さんが、もう大丈夫と私の肩を叩く。
それに合わせて体を離せば、苦笑いしながら言われた。
「族の頭って、似たような奴がなるのかな・・・」
「え?」
「私が抱きしめてって言ったら、龍志もそう言ってくれたわ。『瑠華が1番素敵な女』って。」
「あれー!?僕、また余計なこと言いました!?」
「そーよ!あはははは!」
「す、すみません!すみません!!」
爆笑してくれてるけど、あまりの申し訳なさに頭を下げて謝るしかない私。
「そこまで言うなら、お詫びに何かしてよ。」
「おわび!?」
「なにかちょーだい♪」
と言われてあげる物が―――――――――
「じゃ、じゃあ!これをあげます!」
あった。
「え!?なにをくれるの?」
「はい!」
出かける時、もしかしたら渡す機会があるかもしれないと思って持ってきた物。
「えーと、好みがわかれると思いますが、その~」
可愛くラッピングされた品物を差し出した。
「どうぞ!!」
「あ、ありがとう。」
拍子抜けした声だったけど、受け取ってくれた瑠華さん。
「開けてもいい?」
「はい!」
キレイなマニュキュアがされた指が、包装を静かに解いていく。
出てきた中身を見て、瑠華さんの声のトーンが1つ上がった。
「腕輪?」
「はい!その・・・本当はケーキのお礼が不評だった時に、渡そうと用意してまして~」
「そこまで気遣ってくれてたの!?」
「瑠華さんにはお世話になりましたから。」
「義理堅いのね・・・・これ、パール・・・真珠ね。」
「海の宝石です!ただし、人工なので、おもちゃといいますか~」
「・・・そうね。ガールズバーでつけるには、笑われるおもちゃのたぐいね。真珠ではあるけど、そういう真珠ね?」
「すみません。僕の財力では、今はこれが再一杯で~・・・・!なのでこれで我慢してください。僕の稼ぎでは、それが限界です。気持ちは本物ですが・・・」
「うふふふ!そうね~大事なのは気持ちだものねー」
私の言葉に瑠華さんが笑顔になる。