彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






「じゃあ、次は本物の真珠をくれるのね?」

「いいえ、贈りません。」

「え?」





瑠華さんの請求に、私はきっぱりとお断りを入れる。





「本物の真珠は、瑠華さんと両思いの人が贈るんです。」

「私と両思いの人!?」

「そうです!それまでは、僕が瑠華さんを見守ります。悪い男が寄ってきたら教えて下さい。成敗していきます。」

「坊や・・・」





瑠華さんが私に問いかける。





「瑠華って・・・・呼び捨てじゃないの?」

「抵抗があります。何があってでも絶対に、『さん付け』は嫌ですか?」

「・・・・・あなたには借りがあるからねぇー・・・」





返事にならない返事をして微笑む瑠華さん。





「ねぇ。」

「はい。」

「腕輪、はめて下さる?」





そう言って手を差し出す瑠華さん。

それで私は、彼女に渡した腕輪を手に取りながら言った。





「もちろんです。」





その雰囲気は気高き女王クレオパトラのように思った。

賢さで秀でていたクレオパトラとは違い、彼女は美しさも備えた美貌。

すごくキレイで・・・はかなさと色気漂う大人の女性だった。





「真珠のようなあなたが涙にはかないませんが、しばし、お側に置いてください。」





片膝つき、その腕に腕輪をはめる。

シャランと綺麗な音を立てて、彼女の腕に収まる。





「私の涙が真珠なんて・・・まるで人魚姫の気分?」

「でしたら、新しい人魚姫ですね?海の泡になることなく、素敵な王子様と幸せになるんですから?」

「・・・ありがとう・・・」





私の言葉に、再びポロポロと泣いてしまうお姉さん。

慌ててその手を取って、立ち上がる。

優しく抱き寄せて、よしよしと頭をなでる。

瑞希お兄ちゃんがしてくれたみたいになぐさめれば、彼女は笑う。

最初に会った時みたいに、優しい瑠華さんの顔で笑ってくれた。










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