先輩の彼女
1時間後。

私はげっそりしながら、会議室を出てきた。

「大丈夫ですか?斎藤さん。」

こってり絞られた、白石さんに心配される私。

「……大丈夫です。」

あんな会議が、月に一度開催されると思うと、吐きそうになる。


「斎藤。あれは白石の、仕事への取り組み方に問題があるんだ。おまえだったら、あれだけ絞られる事はないよ。」

「きっついなぁ。間野先輩。」

白石さんは、全然効いてなさそう。

タフな人だ。


「斎藤。来月の新刊の予定、入ってきたか?」

「新刊の予定?いえ。」

「そうか。レディースはないのかな。」

またもやレディース、縮小の兆し?

「編集部に行って、確認してきます。」

「ああ。お願いするよ。」

私は間野さんに笑顔を見せると、営業部を出た。


何日か振りの編集部ですか。

それが、担当しているレディコミの、新刊ありませんかって、ちょっと情けない感じ。
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