先輩の彼女
2時間後。

私は最後の封筒に糊付けをし、宛名シールを貼り終えた。

「終わった~!」

「ご苦労。」

結局間野さんは、何もしないのに残ってくれて。

POPの数え方、糊付けの仕方、宛名の貼り方まで、事細かに私に指導。

そのお陰なのか、残業も1時間で終了。

「よかったな。これで、そのバイトの男の子と、デートできんだろ。」

「デートなんですかね。これって。」

私の答えに、間野さんが手を止める。

「いえ。ごめんなさい。後はこの封筒を、1階の郵便局に持って行くんですよね。」

「ああ。」

間野さんにそんな事言ったって、相手が困るだけじゃん。

何を言ってるんだ?私は。

POPを積めた封筒を、カゴに入れ、それを持った。

「重くないか?」

「大丈夫です。これくらい平気です。」

多少重い気はするけど、所詮中身はPOPで、外側は封筒だから。

廊下に出ると、間野さんがドアの鍵を閉めてくれた。
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