強がりな私の日々
ーその日、佐々木家の実家では。(省太side)

俺は2ヶ月ぶりに実家に来ている。最後に来たのは1月末の美香の誕生日だ。
実家には、両親と妹美香。久しぶりに集まったので話が堪えない。楽しい。

母さんたちが少し出かけている昼間。美香が真面目な顔をして話を始めた。

美香「こないだ暑い日あったじゃん。」

省太「あ、あったね、28℃いった日。その日なんかあったの?」

美香「バイトで夢菜ちゃんとシフト一緒だったんだけど、あの子も半袖で」

省太「ん?そりゃそうだろ。28℃もあったらみんな半袖着るだろ」

美香「腕にまだ切って日が浅いんじゃないかって思う傷があった。」

省太「確かなのか?」

美香「わかんないけど。腕もたまたま見えただけだから。」

省太「表情は?」

美香「最近暗いかも。受験終わった2ヶ月間は会ってなかったからここ1ヶ月のことしかわからないけど」

省太「まぁ、今日奏翔が会ってるらしいし、明日会えるっぽいから俺から色々聞いてみるよ。」

美香「ありがとう。私は次会えるのGW後で遅くなっちゃうからお兄ちゃんよろしく。」

明日は仕事だ。実家から病院は家より近いので、今日は泊まって出勤する。家族とたくさん話をして少し父さんの仕事を手伝ったり、持ってきたパソコンで作業をして過ごした。ご飯を食べてもうあっという間に夜だ。俺は布団に寝っ転がり、夢菜のことを考えていた。

そんな時、スマホが鳴った。あっ、奏翔からだ。

奏翔「夢菜、昨日もリスカしてたらしい。」

省太「そうか。情報ありがとう。明日会えるから色々聞けたらいいなって思ってるよ。」

奏翔「まぁ俺は聴診して、いつしたか聞いただけだけど。それに俺しか隣にいなかった時は何も話さなかったし。」

省太「海翔と一緒に聞いたの?」

奏翔「あぁ、俺じゃ無理だからな。緊張感を解いて自分で話してもらうには海翔がいないと」

省太「俺には明日話してくれるかな。奏翔よりは自信あるけど。」

奏翔「俺はよく会うようになったのは働いてからだからなぁ。海翔とも歳離れてるから夢菜のこと話すようになったのもその頃からだし。」

省太「俺は中学生の頃の夢菜を知ってるからなぁ。あの頃は海翔より会ってたし。」



俺たちは、この2ヶ月会えてなかったからか夢菜のことについて昔のことを思い出しつつ、いつの間にかたくさん話していた。話は尽きない。俺も奏翔も海翔も美香も美咲もみんな夢菜のことを大切に思っている。夢菜は家族には恵まれなかったかもしれないが、恵まれていると思う。俺たちが、夢菜にとってもっと良い居場所になるようこれからも仲良くしていけたらと思う。


卒業式に入学式に引っ越し。新しく慣れない環境。お母さんと過ごした時間が長いから少しストレスが溜まっているんじゃないかと思う。お母さんも一緒だっただろうから、おじさんとは2人きりの時間はなく性暴力は受けていないと信じたい。
大学で友達はできたか、楽しく過ごせているか聞きたいことがたくさんある。
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