追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 曖昧な私の物言いを、クロフはやんわりとした口調ではあるが、きっぱりと否定した。私の手を包み込むクロフの手に、キュッと力が篭められたのを感じた。
「……アイリーン、あなたは素晴らしい女性です」
 クロフから向けられる熱い眼差しと唐突な賛辞に、高揚を上回る戸惑いが浮かぶ。ドクンドクンと刻む鼓動が鼓膜に響き、喉がカラカラに乾くのを感じた。
「これはノアールの件だけではありません、マイベリー村で出会ってからここまで、あなたと多くの時間を共に過ごす中で、私は確信しました。私はあなたが――」
 ――ガタガタガタッ!! ――ガタタンッッ!
 クロフの言葉の途中で、突然、客間の窓がけたたましく揺れた。私とクロフは弾かれたように、揃って窓へと目線を向けた。
「っ、突風!? 窓は大丈夫でしょうか?」
 あまりに激しい揺れ方に、私は窓が割れてしまうのではないかと不安に怯えた。一方クロフは慌てる様子もみせず、険しい目で窓を睨みつけていた。
「いえ、これは突風ではありません。おそらく、窓に張り付いたなにかかが悪さでもしたのでしょう。どちらにせよ、加減は心得ているはずですから窓が割れることはありません」
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