追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「まったく、本当に油断も隙も無い。窓枠に、動物除けの潤滑油でも塗っておきましょうか。……いや、そうすると爪でも食い込ませて宮殿に傷をつけてきそうですね。仕方ない、その都度追い払うしかありませんかね」
 クロフは私の横で柳眉を潜め、動物除けの対策を思案していた。
 そんなクロフの様子を横目に見て、私はこっそりと、もうひとつ息を吐き出す。この動物の一件により、室内に流れる色めいた空気が、すっかり霧散していた。そのことに、私は胸を撫で下ろしていた。

 その晩は、眠りに落ちるのとほぼ同時、待ってましたとばかりにプリンスが現れた。夢にしたってずいぶんと訪れが早く、……むしろ、眠りに落ちるより前に、フライング気味で登場してきたような気もしたが、そこは自由な夢の中。私は華麗にスルーした。
 おそらく、クロフが訪ねてきた時の、窓が大きく揺れた出来事を引き摺っていたのだろう。夢の中で、プリンスは窓からやって来た。
 彼が前足で器用に窓を全開に開け放てば、室内に夜の冷気が吹き込んで、キュッと体が縮こまる。
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