追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 辿り着いた吊り橋は、想像よりもずっとしっかりした造りをしていた。
「思ったより立派だわね!」
「……そうだね」
 アイリーンが感嘆の声をあげる一方、冒険物語のようなスリルを求めていたのだろう、ノアールは残念そうに肩を落とした。
 そんなふたりを追い越して、俺はひとり吊り橋を固定している杭材のところに向かった。
 ……ふむ。基礎にしっかりと埋め込まれているな。
 杭を始め、吊り材のロープや渡り板、強度はどれも問題なさそうだった。
「どうかしたの?」
 声を掛けられて振り返れば、アイリーンが俺の手もとを覗き込んで首を傾げていた。
 俺は首を横に振って「なんでもない」と答えると、先陣を切って吊り橋へと踏み出した。
 俺の重みで橋自体が沈み込むことはあっても、渡り板にも、接合部分にも、軋みや変形は見受けられない。二歩、三歩と足を進めてみたが、渡り板を踏みしめる感触になんら不安はなかった。
 俺はこの吊り橋が、通行や荷運びといった日常の使用に耐えうる強度を備えていることを確信した。
「わぁああ~!」
「きゃああ!」
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