追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 なんと、プリンスは頭をおばあさんの膝に乗せ、芝生にゴロンと背中を預けて仰向けに寝転がり、お腹をモッフモッフと撫で回されて、デレデレになっていた。
「おー、よしよし。おぉおぉ、いい子だいい子だ」
 おばあさんの手がマッサージでもするように、緩急をつけてプリンスを撫でれば、プリンスは気持ち良さそうに、おばあさんの手にゴロゴロと擦り寄る。
「クゥ~ン。……ゴロゴロ」
 うそでしょう!? プリンスってば、喉まで鳴らしちゃってるし……!
「おばあちゃん、ネコの扱い上手だね! こいつ、めっちゃ気持ち良さそうな目ぇしてんじゃん!」
 ター坊がとろけたプリンスを覗き込み、人差し指でちょんちょんと、頭頂のあたりをつつく。
 とろけた目をしたプリンスは、煩わしそうに頭を振った。
「ター坊、お前さんは触り方がおっかなびっくりだからいけねえ。そんなふうにつつくんじゃなく、もっと手のひらでちゃんと撫でてごらん」
「えーっと、こう?」
 おばあさんの指摘を受けたター坊は、今度は手のひらでポフポフとプリンスの頭を撫でた。プリンスは満更でもなさそうに、再び目を細くした。
「私にも撫でさせて!?」
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