追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
なんとか馬車をやり過ごし、ひと息つきながら目線を下げれば、見慣れた拳大の通信機が地面に転がっているのに気付く。どうやら衝撃でバスケットから飛び出してしまったらしかった。
あれはカーゴからもらった大事な通信機だ。間違ったって、なくしてしまうわけにはいかない。
「大変……!」
私は慌てて駆け寄り、道の端ギリギリのところに転がる通信機を掴み上げた。
手の中の通信機を見て、ホッと安堵の息をつく。
……よかった。壊れたりはしていないみたい。
私は大事なそれを、バスケットではなくスカートのポケットに押し込んだ。
「……っ!?」
その瞬間は、なにが起こったのか、まるで分からなかった。ただ、地面を踏んでいた足がふわりと浮くような、不思議な浮遊感を覚えた。
直後、ガラガラという落石の音を聞く。
……道端の一部が崩落したんだ!! 認識した時には、私は重力のまま、崖から落下していた。
「やっ、ぃやぁあああああ――っっ!!」
見開いた目に、真っ黒な塊をみたような気もしたが、私の意識はその正体を確認するよりも前にプツリと途切れた――。
――ペチン。――ペチン。
……ん?
あれはカーゴからもらった大事な通信機だ。間違ったって、なくしてしまうわけにはいかない。
「大変……!」
私は慌てて駆け寄り、道の端ギリギリのところに転がる通信機を掴み上げた。
手の中の通信機を見て、ホッと安堵の息をつく。
……よかった。壊れたりはしていないみたい。
私は大事なそれを、バスケットではなくスカートのポケットに押し込んだ。
「……っ!?」
その瞬間は、なにが起こったのか、まるで分からなかった。ただ、地面を踏んでいた足がふわりと浮くような、不思議な浮遊感を覚えた。
直後、ガラガラという落石の音を聞く。
……道端の一部が崩落したんだ!! 認識した時には、私は重力のまま、崖から落下していた。
「やっ、ぃやぁあああああ――っっ!!」
見開いた目に、真っ黒な塊をみたような気もしたが、私の意識はその正体を確認するよりも前にプツリと途切れた――。
――ペチン。――ペチン。
……ん?