追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「私の留守中、シーラさんと一緒に店番をしてくれてありがとうね。それからね、プリンスが頑張ってお客様を歓待してくれるのは嬉しいけれど、そんなに入口で気を張って、呼び込みをしなくても大丈夫。ゆっくり寛いでくれて、いいのよ」
 入口に張り付いていたのは、奴の戻りを待っていたからで、別に客の呼び込みを頑張っていたわけではないのだが……。
 アイリーンから感謝の篭った眼差しを向けられて、俺はいたたまれずに目線を落とした。
「それにね、本当は私がこんなことを言っちゃいけないんだけど、カフェの盛り上がりが嬉しい反面、ちょっと寂しく感じていたの。最近はプリンスの周りには、いつもお客様がいっぱいだったでしょう。それで私は、なかなかあなたを撫でる隙がなかったから。……駄目ね、仮にも店主を任されている身でこんなことを言っちゃ」
 悪戯っぽく微笑むアイリーンが物凄く可愛くて、俺は目を細くしてうっとりと見つめた。
「今は仕事中だけど、ここにはあなたと私だけだから、……いいわよね?」
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