追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「あらやだよ。あたしゃね、このでっかいのが可愛くて仕方ないんだ。なんなら旅行中といわず、あたしが貰い受けたいくらいだよ……って、いやだよ白ちゃん! 今のは冗談で、ご主人様が帰ってくるまで、ほんの少しの辛抱さ! ご主人様の留守中だけ、あたしのご飯で我慢しとくれよ!」
 老婆が高笑いで、俺の首もとをモッフモッフと撫でる。
 ……おい、ルーク! 俺はやっぱり納得がいかないぞ! どうして俺の留守番中の飯を、よりにもよってこの老婆が世話するんだ――!?
 俺が不満を込めてジトリと見上げれば、ルークが氷点下の眼差しで俺を睨みつけ「しゃーねえだろ! ここで食わしてもらうのが不満なら、留守中ずっとペット用のドライフードでも食ってろ!」と、こんなふうに最強の脅しをかける。
 こうなれば、俺は押し黙るしかできない。……ペット用のカリカリなんて、食えるわけがない。
「三度の飯だけやってもらえれば、こいつは身の回りのことは全部自分でできますから。飯の量も、普通に一人前やっときゃ大丈夫です」
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