追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 この姿のまま安直に同行しては、道中でも現地でもトラブルの種になる。悔しいがひとり村に残らざるを得ない。そうかといって、鼻持ちならない奴とアイリーンをふたりで旅させるなど、許可できるわけがなかった。
 結局、腕が立ち、全幅の信頼をおいているルークを護衛として同行させることが、俺に出来る精一杯の対応だった。
 ちなみに、俺が危惧する危険は、ラファーダ王国までの道程そのものではない。
 アイリーン、君の同行者が危険な性悪オオカミだということを、くれぐれも忘れないでくれ――!
「それから、こいつは困ったことに放浪癖を持ってる。万が一、飯にやって来なくなっても、捜す必要はないですから」
「あれまぁ、それは心配だねぇ。それにあたしゃ、食材費としてずいぶん多くもらっちまってるよ。やっぱり捜して、ちゃんと食わせてやらなくちゃ……」
「いやいや、厭きれば勝手に帰ってくる。食材費の件も、まったく気にしないでいい。ここの家にやって来た時だけ、飯をやってくれ。……あとは、たまにブラッシングでもしてやれば、喉を鳴らして喜ぶぜ」
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