追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「いえ、そんなことはありません。ラファーダ王国の気候風土に合った合理的な宮殿だと、感心していました。レンガ材は、保温性や耐久性、耐水性にも優れた素材です。冬の降雪にも十分耐えうる堅固でしっかりとした造りですね」
クロフは驚いたように私をジッと見つめ、長い間を置いて口を開いた。
「……あなたはなんと博識なのでしょう。この宮殿をそのように評価した女性は初めてです」
「いえ、以前たまたま聞きかじっただけで、博識なんてとんでもありません。もし、ひけらかすような言い方をしてしまったなら、恥ずかしいです」
感心したように言われ、私は慌てて否定する。博識だなどと、過剰な期待を持たせてしまっては、後々ガッカリさせることにもなる。
「謙遜ですね。アイリーン、あなたは物の本質を正しく見抜く慧眼の持ち主だ」
さらに困ったことに、クロフは時々、こんなふうに私を過大に評価することがあった。
出会った状況もあって、私とクロフはここまで気安く軽口を交わし、フランクな関係を続けていたけれど、彼が次期国王という事実を忘れてはいけない。
クロフは驚いたように私をジッと見つめ、長い間を置いて口を開いた。
「……あなたはなんと博識なのでしょう。この宮殿をそのように評価した女性は初めてです」
「いえ、以前たまたま聞きかじっただけで、博識なんてとんでもありません。もし、ひけらかすような言い方をしてしまったなら、恥ずかしいです」
感心したように言われ、私は慌てて否定する。博識だなどと、過剰な期待を持たせてしまっては、後々ガッカリさせることにもなる。
「謙遜ですね。アイリーン、あなたは物の本質を正しく見抜く慧眼の持ち主だ」
さらに困ったことに、クロフは時々、こんなふうに私を過大に評価することがあった。
出会った状況もあって、私とクロフはここまで気安く軽口を交わし、フランクな関係を続けていたけれど、彼が次期国王という事実を忘れてはいけない。