追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「やぁね、クロフったら。そんなに持ち上げてみせなくても、お菓子作りにいっさいの妥協はしないから、安心してちょうだい」
「おやおや」
 私があえて軽い調子で言えば、クロフも笑って答えた。
 ……今後は言動に、これまで以上に気をつけた方がいいような気がした。

「ようこそお越しくださった。わしはラファーダ王、レオナルドじゃ。貴殿の訪れを首を長くして待っておりましたぞ!」
 通された謁見の間で、到着を待ち構えていた国王様から熱い歓待を受け、私は恐縮しきりで頭を下げた。
「レオナルド陛下、おそれおおいことでございます。セント・ヴィンセント王国よりまいりました、アイリーン・オークウッドと申します。この度は、専属菓子職人として召し上げていただき恐悦至極でございます。陛下におかれましては――」
< 79 / 216 >

この作品をシェア

pagetop