追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「おや父上、一目でアイリーンの知勇に気付くとは、なかなかにお眼が高い。ですが彼女に先に目を付けたのは私です。くれぐれも彼女に、いらぬちょっかいなど掛けないでください。父上だろうと容赦なく、噛みつきますよ」
「なんと、これはますます面白いわ!」
……後悔先に立たず。
どうやらラファーダ王家は、とても仲良し一家のようだ。打ちひしがれる私を横目に、父子は楽しそうに盛り上がっていた。
***
……あれが、敵の巣窟か。木陰に身を潜め、聳え立つ堅固な宮殿を見上げる。
俺がマイベリー村を出て二日が経ち、追っていたアイリーンたちの馬車は、ついにラファーダ宮殿の正門に吸い込まれて消えていった。
宮殿の正面入口にでかでかと掲げられた【アイリーン・オークウッド殿、王宮専属菓子職人就任歓迎】と書かれた横断幕を見るに、ラファーダ王国のアイリーンに対する厚い歓迎ぶりが知れる。
きっと今頃アイリーンは、国王らから諸手を挙げた歓待を受けているに違いない。
一方、敵の本丸を目前にして、俺の心は既にズタボロになっていた。
「なんと、これはますます面白いわ!」
……後悔先に立たず。
どうやらラファーダ王家は、とても仲良し一家のようだ。打ちひしがれる私を横目に、父子は楽しそうに盛り上がっていた。
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……あれが、敵の巣窟か。木陰に身を潜め、聳え立つ堅固な宮殿を見上げる。
俺がマイベリー村を出て二日が経ち、追っていたアイリーンたちの馬車は、ついにラファーダ宮殿の正門に吸い込まれて消えていった。
宮殿の正面入口にでかでかと掲げられた【アイリーン・オークウッド殿、王宮専属菓子職人就任歓迎】と書かれた横断幕を見るに、ラファーダ王国のアイリーンに対する厚い歓迎ぶりが知れる。
きっと今頃アイリーンは、国王らから諸手を挙げた歓待を受けているに違いない。
一方、敵の本丸を目前にして、俺の心は既にズタボロになっていた。