追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 深く掘り返しては、奴の口から『小事』どころでは済まない、『大事』が飛び出してしまう。ちなみに、ここで飛び出す『大事』は、物理的にもでかすぎる俺だ――!
 果たして奴は、どんな答えを返すのか……!? 俺は祈るような思いで、奴に視線を向けた。
『ええ、済みました』
 ところが奴は涼しい笑みで頷いただけで、『小事』の内容について語ろうとはしなかった。
 ……お留守番できずに俺が後を追ってきたこと、アイリーンにチクらないのか?
 もしかすると、敵認定して毛嫌いしていたが、本当は結構良い奴だったりするのか……?
 俺は奴の反応に肩透かしを食らいつつ、ちょこっと見直していた。
『そんじゃ、午後は俺が手綱を取るぜ』
『では、お願いします』
 ルークの声を受け、奴がスルリと車内に乗り込む。
『アイリーン、お手をどうぞ』
『ありがとう』
 ん!? 俺がすっかり油断しきっていれば、奴がアイリーンの手を取って、車内に乗り込むのを手伝った。しかも奴は彼女が乗り込んだ後も、手を握ったまま、なかなか離そうとしない。
 ……おい!? いつまでアイリーンの手を握っている気だ!?
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