ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
海は自分が羽織っていた薄いシャツを脱いでしゃがみこんでいる椿の体を包み込む。

そしてその上から椿の体を抱きしめた。



狭いワンルームの部屋。ベッドと小さなテーブルがある部屋はかなり乱れている。


大きな窓は不自然にあいていてカーテンが風になびいひらひらと外へ出ていた。


部屋には、椿がいた。

着ている服が破けて肌が見えている。
海が抱きしめた椿はひどく震え肩で呼吸をしていた。

凌駕は恐る恐る椿を見る。

椿の髪は乱れ、涙が流れている。
そして目の横には大きなあざ。唇は切れて血が出ている。


< 106 / 292 >

この作品をシェア

pagetop