ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
海はもう、大丈夫とうわべだけの言葉は椿に言えず、うまく言葉にならない気持ちを椿の頭を撫でて伝えた。
「サンキュ・・・」
たくさんの言葉の中から海が選んだのは感謝の言葉だった。

「俺。うまく眠れなくてさ。」
「・・・」
海は作業を再開しながら椿に話しかける。
椿も目を潤ませたまま作業を再開している。
「でも、久しぶりに短時間でも眠ったって実感できるくらい熟睡してた。」
「・・・」
「ありがとな」
「・・・」
「椿のそばは不思議だな。なんか、あったかいな。」
海がちらりと椿を見ると作業台にぽたぽたと涙が落ちていた。
「なんだ?どうした?」
慌てて海が手を止めて椿の方へ近付く。
椿の瞳からは涙があふれて止まらない。
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