【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「晴人ってお嫁さんにしたいよなぁ~」
「俺は優弥みたいな旦那は勘弁だけどね。
絶対に泣かされる未来しか予想出来ない」
優弥はコンビニのおにぎりを頬張りながら大笑いした。
東京に本社のオフィスを構える某お菓子メーカー。
そこの営業に配属された、社会人2年目。
世間一般的に見れば大手企業に入るのだろうけど、そうは言ってもまだ社会人2年生。
贅沢さえしなければこの大都会東京で野垂れ死にする事はないけど
かといって、好きな物がめいっぱい買えるほど裕福な暮らしは出来ない。
東京にある某有名大学に受かった時、中卒で学にコンプレックスがあった親父は大喜びしてくれた。
中卒であろうがなかろうが、大工をやりながら毎日汗水流し家族の為に働いてくれ、俺を4大、3つ下の妹を短大まで行かせてくれた親父を尊敬しているし、感謝もしてる。
すごく裕福って訳ではなかったけど
特に困った事も無くて
母親と俺と妹何事もなく暮らしてこれたのは親父のお陰だと思っている。
大学時代はアルバイトもしていたけれど、実家からの仕送りもあって、特に苦労をした事もなく
何とか大手のこの会社に就職出来たのもツイてるとしかいいようがない。