転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「わかった。一時的に、視力を回復する魔法薬を作る」

「へ?」

私の腕を掴み、ズンズンと外に向かって進んでいく。

「ちょっと、ローデンヴァルト先生!」

ドレスだと歩きにくい。そう訴えると、ローデンヴァルト先生はまさかの行動に出る。私の恰好を確認したのちに、横抱きにして持ち上げたのだ。

「きゃー!」

黄色い悲鳴をあげたのは私ではなく、付添人だ。なぜ、顔を真っ赤にして興奮しているのか。

おかげで、周囲の注目も集めてしまう。

「安心しろ。目的地まで、運んでやるから」

「いや、あの、そういうことではなくて」

「少し大人しくしていろ。舌を噛む」

あとをついてきた付添人には、ここで待つように勝手に命じられていた。薬草園は関係社以外立ち入り禁止らしい。私も関係者ではないものの、“魔法薬学科”の生徒なので問題ないようだ。

「寒くないか?」

「いえ」

「そうか」

気遣うような発言をしたものの、私の「今すぐ下ろしてくれ」という主張はいっさい無視だった。信じられないほど、まったく聞く耳を持たない。
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