転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
たどり着いた先は、魔法塔の薬草園だった。ここでやっと、下ろしてもらえた。

抗議しようとしたものの、広大な薬草園の景色に見とれてしまう。

「わっ、すごい」

小さく区分けされた畑に、ありとあらゆる種類の薬草が植えられていた。遠くに見えるガラス張りの温室は毒草園らしい。臭いをかいだだけで失神したり、触れただけで手がただれたりなど、危険な毒草の数々が生育されている。中には、近づいただけで死してしまうような猛毒を持つものもあるとのこと。毒草園の内部に入るには、防毒衣に保護メガネ、マスクを付けないと入室できない決まりがあるようだ。防護しないと命の危機になるとか、聞いただけでもゾッとしてしまう。

「案内してやろうか?」

丁重に遠慮させてもらうと、ローデンヴァルト先生は口の端をわずかに上げる。もしかして、冗談だったのだろうか? かなり本気に聞こえたが。

最近、無表情の中にも変化を発見できるようになってきた。だからといって、得するようなことは何もないが。
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