転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「ニコラ、大丈夫。ローデンヴァルト先生の結界もあるから」

「は、はい」

これはニコラではなく、自分自身に言い聞かせるような言葉だろう。

大丈夫、魔物は校舎へ入れない。呪文を唱える練習をするように、心の中で何度も繰り返した。だが――。

『ギュオオオオオオ!!』

「きゃあ!」

「うっ!」

何度目かの振動かわからないが、ついに校舎は傾いてしまった。机ごと、私とニコラは倒れた方向に流されていく。壁に激突しそうになった瞬間、モフタロウが動く。私とニコラを、受け止めてくれた。

「モフタロウ、ありがとう」

『ぐるぅ!』

だが、これでよかったとは言えなかった。

今まで感じていなかった風が、ピュウピュウと教室に流れ込んでくる。

望遠鏡を覗くように赤い瞳を持つ魔物は、教室に空いた穴から私達を見つめていた。
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