転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「あ、あれは――!?」

「飛行邪竜(ワイバーン)です!」

闇魔法を使う者が使役していた魔物――飛行邪竜。

幻獣最強の竜が、闇落ちした姿であるとも言われていた。

『ぐるるるるる!!』

モフタロウが低く唸り、飛び出そうとしていた。それに、待ったをかける。

「ダメ、モフタロウ! 校舎から、出ないの!」

教室の壁は壊れてしまったが、飛行邪竜は教室の内部を攻撃してこない。つまり、ローデンヴァルト先生の結界がまだ生きている証拠だろう。

だが、再び飛行邪竜は校舎に体当たりを始める。教室の壁はどんどん剥がされていった。

そして――パチン! と何かが弾けた音が聞こえた。

「け、結界が、崩壊した?」

ニコラがか細い声で「おそらく」と答える。

『ギュオオオオオオ!!』

飛行邪竜の鼻息だけで、吹き飛ばされそうになった。四つ足でしっかり立つモフタロウにしがみつき、なんとか堪える。

モフタロウを戦わせてもいいものか。ローデンヴァルト先生は、高位魔犬と言っていたけれど。

ここで、飛行邪竜が『ハーーーー』と大きく息を吸っていた。あの動きは、ブレスを吐こうとしているのだろう。

回避する方法は、ない。ニコラをぎゅっと抱きしめる。
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