転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
しばし歩くと、氷の矢が刺さった火トカゲが見えてくる。全身、厚い氷に覆われた状態で絶命していた。もしも死んでいなかったらどうしようと思っていたが、心配はいらないようだ。

その後も、次々と魔物に襲われる。だが、私達が使い魔を使って戦うことなく、ローデンヴァルト先生が倒してしまった。

そして、大きな扉の前にたどり着く。

「ここが、闇魔法使いの――」

扉に触れる前に、ギイ……と重たい音を鳴らして開いた。闇魔法使いが、私達を誘(いざな)っているのだろう。

ローデンヴァルト先生は、誘いに乗って中へと入る。私とニコラも、あとに続いた。ネネとズズ、ミミもついてくる。

内部は案外広い。実験室みたいに、長方形のテーブルや、散乱した道具、それから魔法鍋もあった。そこら中に積まれた木箱には、魔石がたくさん詰め込まれている。壁のすべてが本棚であったが、本はほとんど置かれていない。

なんだろうか。雑多というか、整理整頓されていないというか。闇魔法使いの本拠地だと言われても、首を傾げてしまう。

周囲を見渡していたら、ネネの耳がピクンと反応を示す。

「む~~! むむ~~!!」

くぐもった女性の声が、微かに聞こえる。ズズが、ふたつ積み上がった木箱を指差した。

『あ、あちらに! きっと、フロレンツィアさんでちゅう!』

「フロレンツィア!?」

「フロレンツィアさん!」

「むむ~~!!」
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