転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
「もしかしたら、ここから撤退したあとだったのかもしれない」

ローデンヴァルト先生がそう言ったあと、部屋の中心に魔法陣が浮かんだ。

「おい、伏せろ!!」

閃光と共に、魔法陣が()ぜる。

魔法陣の近くにいた私はローデンヴァルト先生に腕を引かれ、押し倒される。そのまま、上に覆い被さる形で庇ってくれていたようだ。

そのことに気付いたのは、ローデンヴァルト先生の重みで意識が戻ったあと。どうやら私は、しばし気を失っていたようだ。

周囲は真っ赤だった。それに、暑い。いいや、これは“暑い”ではなく、“熱い”、だ。

「ううっ……!」

モフタロウが、耳元で『がうがう』と吠えている。起き上がりたいが、ローデンヴァルト先生が私に圧しかかっていて動けない。

「ローデンヴァルト先生、起きて!」

声をかけるが、無反応だった。それを見かねたからか、モフタロウがローデンヴァルト先生の外套を加え、退かしてくれた。

起き上がると、周囲の状況に愕然とする。

「こ、これは……!?」

一面、火の海だった。先ほど発動された魔法で、こうなってしまったのだろう。

火に呑まれそうになった瞬間に、ローデンヴァルト先生が庇ってくれたのだ。

ニコラとフロレンツィアは? 鼠妖精達の姿もなかった。キョロキョロ見回すが、火の勢いがすごくて視界がはっきりしない。
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